白樺樹皮のお話!
- 2015.06.22 Monday
- 10:26
以前のブログサイトが廃止になるので、新たなサイトにブログを移動しました。
さて、なかなか進まない私の 白樺樹皮加工 のお話しです。
ショップでも白樺細工を扱っていますが現状はフィンランド、スウェーデン製です、北海道には白樺の木が沢山あるのに国産の白樺細工は流通量がとても少ないのです。
それには、それなりの理由があるのですが...
白樺細工の材料となる白樺樹皮採集は初夏、白樺の木が最も水を吸い上げている時期に限られます。
それは、その時期でないと樹皮を綺麗に剥ぐことが出来ないからです。
ただし、この時期なら全ての白樺樹皮が綺麗に剥げるかと言うとそうでもなく、
ちょうどタイミングよく水が上がっている樹からしか綺麗に樹皮を剥ぐことが出来ません。
長年白樺樹皮採集をされている方にも見分け方があるのか聞きましたが、わからない!との事です。
この白樺樹皮採集、まず白樺林を所有しているか採取させてくれる山林所有者が周囲にいないと出来ないのです。
最近この白樺樹皮細工がブームらしいので勝手にお山の白樺さんの皮を剥いでいる人もいるようですが、デメですよ〜
道有林や国有林でも見受けられますが、ダメです。
まず、山林所有者の方にお話をすると皮を剥いだ姿が痛々しいのでいやだと言われます。
確かに白い幹の一部が樹皮を剥ぐことで黒くなりますので、見た目は悪いですね、では樹皮を剥ぐと樹はどうなるのか...枯れるか... それはまた別の機会に。
白樺樹皮の採取ですがちょうどユーリさんのワークショップが有ったので行ってみました。
こんな感じでお山に入っていくのです、今回のこのお山はすでに人の手が入っているので簡単に入れますが...
森の所有者の方が白樺を切り倒しておいてくれたのでこんな感じで採取できます、普通は樹に脚立などを掛けて高所の樹皮も採取するので結構な重労働なのですよ〜
白樺の木から樹皮を剥がすとこの様に綺麗な茶色のコルク層が表れます、この色も時間がたつと黒褐色に変化しひび割れて行きます。
今回切り倒した白樺は重機で運び出してチップになるそうです。
切り倒した奥に樹皮の黒くなった白樺が有りますがこれは以前に樹皮を剥いだ樹です、こんな感じで黒くなるのです。
樹皮の無い変色部分はやはり目立ちますね。
北海道内でも白樺細工を製作・販売されている方々がおられますが、この樹皮採集がまずネックになるのでしょう。
綺麗な製品を作るには綺麗な樹皮が必要、と言うことは大量に樹皮採取をしなければなりませんが...
さて、樹皮を採集した後に待っているのが最も大変な樹皮の剥離・鞣しです。
これがとっても大変、でも楽しい!
私は編むよりこちらの作業が好きなのです、変わってますかね。
最終的にはこの様なテープ状に加工するのですが、ここまでがなかなか大変な作業なのです。
採集した樹皮を取りあえず少し乾燥させてフラットニングをしておきます、
この外皮(白い皮)を剥いでいくにも平らな方がやりやすいのでフラットニングは欠かせませんね。
ここら辺の手順はひとそれぞれで経験値なのでしょうが...
ある程度のフラットニングと外皮の除去が済むとカットをします、これも加工台が無いと大変なので毎度製作しています。
ことしは合板製、ちょいと合板が柔らかすぎた様ですが。
まず端をフラットに切断します、これでこの後の作業がスムーズに進むのです。
必要な幅で樹皮を切り出していきます、切断は大き目のカッターやロータリーカッター、ナイフなど樹皮の状態で変える事も有りますが、力仕事です。
正確な切断も編むときの歪を減らすことが出来ますので重要なのです。
切断だけならあっという間にテープが出来上がりますが、この後厚みの調整と鞣しが待っています。
どうでしょう、白樺樹皮細工は面白いけどなかなか手間がかかる物なのです。
つづく!